所有不動産記録証明制度による被相続人名義の不動産調査

所有不動産記録証明制度とは

令和6年4月1日に施行された相続登記の義務化に伴い、令和8年2月2日から「所有不動産記録証明制度」が施行されました。これは、被相続人が所有者として登記されている日本全国の不動産について、登記官が一覧的にリスト化して証明書してくれる制度のことです。 

これまでは、住所・氏名等の情報を足掛かりに、その者が所有者として登記されている不動産を日本全国レベルで抽出する仕組みがありませんでした。相続人は、毎年6月ごろに市区町村の固定資産税課などから郵送される「固定資産税・都市計画税の納税通知書」を確認したり「名寄帳」を取得することでしか被相続人名義の不動産を調査する方法がなく、全国規模での調査はできませんでした。

そのため、被相続人がどこに不動産を所有しているかを正確に把握することができず、相続人が確認できなかった不動産については、相続登記がされないまま放置されてしまうということが頻繁に起きていました。 

今回の所有不動産記録証明制度の施行により、相続人が被相続人名義の不動産を把握しやすくなり不動産の相続登記の漏れを防止することが可能になります。ちなみに、証明の対象となる不動産が検索結果として抽出されない場合には、「該当不動産がない」旨の証明がされます。

これまでの制度と所有不動産記録証明制度の比較

「固定資産税・都市計画税の納税通知書」や「名寄帳」の問題点
  • 公衆用道路など地方税第348条に列挙された不動産は固定資産税が非課税のため納税証明書には記載されない。
  • 固定資産税・都市計画税は毎年1月1日現在の不動産の所有者に課税される税金なので、1月2日以降に不動産を取得した場合、その年は非課税となるため次年度にならないと記載されない。
  • 不動産が共有の場合、基本的に納税証明書は共有者全員には送付されない(共有者代表にのみ郵送)。
  • その地方自治体(市区町村)にある不動産しか記載されない。
所有不動産記録証明制度のメリットと注意点


(メリット)

  • 公衆用道路など地方税第348条に列挙された不動産であっても所有権の登記がされていれば記載される。
  • 被相続人が1月2日以降に取得した不動産であっても所有権の登記がされていれば記載される。
  • 共有不動産であっても共有者として登記されていれば記載される。
  • 全国の被相続人名義の不動産について記載される。

(注意点)

  • 検索対象となる不動産は所有権の登記がされている不動産に限られるので、表題部しか登記されていない不動産は検索対象にはならない。
  • 検索条件の住所・氏名と登記記録上の住所・氏名が異なる場合、検索結果として抽出されない可能性がある。

所有不動産記録証明制度の利用方法

請求できる方

  1. 所有権の登記名義人(個人でも法人でも可)
  2. 登記名義人の相続人、法人の場合は合併などによる承継会社
  3. 上記1.2の方から委任を受けた代理人

請求方法

  • 全国の法務局・地方法務局(支局・出張所を含みます)に交付請求をします。
  • オンライン、郵送のどちらでも対応が可能です。

必要書類

  • 印鑑登録証明書(有効期限はありません)※交付請求書に実印を押印します
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証などの写し)
  • 相続人その他の一般承継人からの請求の場合は、被承継者との関係が確認できる書類(例えば、戸籍謄本など)
  • 登記記録の住所や氏名に変更がある場合は、変更が確認できる戸籍謄本や住民票など
  • 代理人に委任される場合は委任状 ※委任状に実印を押印します

手数料

※検索条件1件につき、1通当たりの金額

書面請求(収入印紙で納付)法務局の窓口で証明書を受領1,600円
オンライン請求郵送により証明書を受領1,500円
オンライン請求法務局の窓口で証明書を受領1,470円

当事務所でも手続を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。