後見等開始の審判の手続の流れ
後見等開始の審判の申立てを行ってから、成年後見人が選任され、成年後見人が活動できるまでの流れは以下のとおりです。「後見」「保佐」「補助」それぞれの類型で若干の違いはあるものの、おおまかな手続の流れはほぼ同じです。
- Step.1成年後見等の開始の申立書を作成
◆後見等の開始の申立書を作成し、申立書に添付する必要書類を準備します。成年後見人等の候補者が決まっている場合は、申立書に「成年後見人等候補者」を記入しますが、候補者がいなければ何も記入しないで家庭裁判所へ一任することもできます。
◆医師の診断書が必要になりますが、診断書をお願いする医師は精神科の医師である必要はなく、かかりつけの医師で問題ありません。このときに、STEP4で鑑定が必要になった場合の鑑定の引き受けの可否についても確認しておきます。鑑定の引き受けが難しい場合は、鑑定が可能な医師の紹介をお願いしてください。鑑定できる医師を紹介していただけない場合は家庭裁判所で鑑定する医師を探すことになりますが、その場合は通常よりも審判までに時間がかかることが多いです。
- Step.2後見開始等の審判申立書を管轄の家庭裁判所に提出
◆申立書を提出する家庭裁判所の管轄は「本人の住所地を管轄する家庭裁判所」になります。
本人の住所地とは、原則として本人が住民登録をしている場所(住民票の住所)になります。◆一旦申立書を家庭裁判所に提出した後は、申立てを勝手に取り下げることはできず、申立ての取下げについては家庭裁判所の許可が必要になります。
- Step.3家庭裁判所での審判手続の開始
(調査)
提出された申立書や添付資料の確認が行われた後、家庭裁判所の調査官から申立人や成年後見人等候補者に、申立ての実情や当事者の意見などを確認するための電話連絡があります。調査の方法は申立てをする裁判所により対応が異なります。(審問)
必要に応じて、裁判官が本人や成年後見人等候補者に直接会って事情を尋ねること(審問)もあります。◆保佐申立ての場合、本人以外の申立てによって代理権付与の審判をするには、本人の同意が必要になります。
◆補助申立ての場合、本人以外の申立てによって補助開始の審判をするには、本人の同意が必要になります。更に、本人以外の申立てによって同意権付与の審判、代理権付与の審判をするには、本人の同意が必要になります。
※本人の同意の意思の確認は、審判手続のなかで調査官が行います。
- Step.4鑑定(※補助申立ての場合は原則として鑑定は行わない)
本人の判断能力を判断するために鑑定を行うことがありますが、本人の判断能力が明らかに欠如していて後見に該当することが明白な場合など、鑑定を行う必要がないと家庭裁判所が判断すれば鑑定は行われません。
鑑定が必要になる場合は、別途鑑定料(鑑定する医師により5万円~15万円ほど)を追加で納める必要があります。
また、保佐申立ての場合は鑑定を行うことがありますが、補助申立ての場合は原則として鑑定は行いません。 - Step.5審判の告知
◆後見等の開始の審判がなされると、成年後見人に選任された者、申立人などに対して審判書の謄本が郵送されます(審判の告知)。
◆審判書の謄本を受け取ってから2週間以内に後見等開始の審判に対する不服の申立て(即時抗告)を行うことができます。ただし、「申立書の後見人候補者とは異なる者が成年後見人に選ばれたこと」を理由とする不服申し立てはできません。
- Step.6審判の確定
審判書の謄本を成年後見人等が受け取ってから2週間が経過すると後見等開始の審判が確定します。
- Step.7後見登記の嘱託
後見等開始の審判が確定すると、家庭裁判所の書記官が法務局に後見登記を嘱託します。
法務局で後見登記の手続が完了すると、後見登記事項証明書を法務局で取得することができ、これが「成年後見人等の権限を証明する書類」となります。
成年後見人等が後見業務を行う際には、役所や金融機関などで後見登記事項証明書の提示を求められますので、必ず携帯しておく必要があります。また、役所や金融機関により、要求される後見登記事項証明書の有効期限が異なりますので注意が必要です。
法定後見の申立てを検討されている方で、ご自身で申立てされたい方、申立書の作成支援を希望されている方など、後見に関するご質問、お問い合わせがございましたら、こちらからおねがいいたします。

